自分らしく生きる女性、映画「ガーダ」

映画「ガーダ」は、女性たちを中心に長年パレスチナを撮り続けている、フォトジャーナリスト・古居みずえさんの監督作品です。


パレスチナのガザ地区に住むガーダという名の女性の日常を通して、パレスチナ女性の現状を追ったドキュメンタリーです。


長期にわたるイスラエルの支配やパレスチナの古い慣習の中で、ガーダは「自分らしく生きるにはどうしたらいいか?」を常に模索している、先鋭的な女性。例えば、両家の親族と盛大に行う結婚式ではなく、エジプトで2人で挙式後、地元で親族とパーティをしたいと斬新な提案で周囲を驚かせます。また、結婚後は夫が料理をするという珍しい夫婦形態。夫が「ガーダは何もしない」と言っても、本人はケロリとして「いい夫を持った」なんて言います。夫のナセルも古風とは逆の新しい考えの持ち主であることが、パレスチナにもいろんな生き方をする人たちがいるのだなと、身近に感じさせてくれます。


当時は、インティファーダというイスラエルの占領支配に抵抗する運動があった時代。夫方の幼い甥っ子が、イスラエル兵に背後から頭を銃で撃たれて死んでしまいます。その出来事はガーダに大きな影響を与えました。占領期に入った1948年に以降に生きた女性たちの人生を本にしようと、いろんな場所へ足を運び始めます。


そして、広大なオリーブの木畑や家をイスラエル兵にブルドーザーでつぶされた出来事を語りながら涙する人々の話に耳を傾ける中で、ついには大学で政治学の学位を取って、本を必ず完成させることを誓います。ガーダは言います。「人それぞれに闘い方がある。私の闘い方は未来にパレスチナのメッセンジャーになる子供たちを育てることと、本を書くこと」。


ガーダの姿を見ていると、どんな環境にあっても、自分らしく生きることは自分自身で選べるのだと気づかされます。悲しみの中に勇気をもらえる、そんな映画です^^





月と砂漠とホンモス

パレスチナ刺繍バッグとアクセサリー販売を手掛けるDonya Al-HOBB(ドニヤ・ホッブ)と申します。パレスチナ、エジプトをメインに、アラブや近隣のイスラム諸国(イランやトルコ)の観光、文化、食べ物など”楽しいアラブとその仲間たち”を紹介します:) 商品情報も順次UPしていきます♪

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