ジュハーおじさんの話☆
アラブには、「ジュハー」という「とんちの小話」の主人公で有名なおじさんがいます。日本で言うと、「吉四六(きっちょむ)さん」的な存在ですね。ある時はとんちを聞かせて難を切り抜けたり、かと思うと少々マヌケな事態に陥って笑いものになったりと、ユーモアにあふれているのが特徴です。教科書に載ったり、本の種類も様々ですから小話も相当な数あるんじゃないかと思います。
例えば、ジュハーが市場で買ってきた肉を、妻が友達と内緒で全部食べてしまう話があります。妻は「猫が食べた」と言ってしらばっくれたまま。するとジュハーが猫を天秤にかけて肉の重さと比べて、妻のウソを暴くという素朴な面白さが、ジュハーの魅力です。
ジュハーの挿絵も本の数ほどあって、やせてるジュハーから太っているジュハーまで、あるいは可愛いジュハーからシリアスなジュハーまで、本当に様々です。でも、その統一感のなさがアラブらしくていいところだと思います。
ちなみにエジプト方言では「ゴハー」と言います。また、トルコにも「ナスレッディン・ホジャ」というジュハーに似たおじさんの話があります。東京・代々木上原に「東京ジャーミー」というトルコ系のモスク(イスラム教の教会)があって、そこでホジャおじさんの絵本(日本語版)を以前無料配布していましたので、今もあれば手に入るはずです。
ジュハーの話も以前は子ども向けに日本語で訳されたものがあったみたいですが、いまはもう絶版みたいですね。アラブ人は基本的に冗談やギャグが大好きな人たちなので、暗いニュースばかりでなく、こういう一面にスポットを当ててもらえるとアラブの印象もガラッと変わるんじゃないかと思います。私も地道にこのブログとインスタ(@donyaalhobb)で普及活動をしていきます^^
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