エジプトの国民的大スターの話☆
俳優のアーデル・イマームは、エジプトの国民的大スターです。シリアスからコメディまで幅広い演技を見せる彼の主演映画数は相当な数にのぼり、常にヒットし続けています。
「テロリストとケバブ」は、日本で行われたアラブ映画祭で上映されたこともある傑作コメディ映画です。主人公は子供の手続きでモガンマー(役所)にやって来ます。そこで、警備員と口論となり、とっさのはずみで警備員が向けた銃を手に取ってしまったことから、テロリスト騒動に発展。警察官が動員され、主人公はひと癖もふた癖もある庶民たちと一緒になぜかモガンマーに立てこもることになってしまいます。
慎重にテロリストたちの要求を探り出そうとする警察に対し、主人公たちは「ケバブが食べたい」と言います。果たして大量のケバブがモガンマーに差し入れされますが、結局警察側には犯人は誰だかわからないまま物語は幕を閉じます。
この映画はコメディの中にも風刺を利かせていて、エジプト人がすぐ人だかりになる習性や、なかなか手続きが進まない役所の怠慢さや、庶民の不満などをユーモアを交えて見せています。すぐに人だかりができる件や手続きの遅さは、エジプトに暮らしたことのある人なら、かなり「あるある」な話で笑ってしまいます。
ちなみに、このアーデル・イマームにエジプトで遭遇しました。まだエジプトに住み始めて間もない頃で、場所はカイロ大学でした。学校中の生徒という生徒が出てきたんじゃないかと思うくらい、ものすごい数の学生が「きゃあー!!」と悲鳴を上げながら一気に同じ方向へ走っていく異様な光景に出くわしました。聞けば、有名な俳優が来ているとのこと。すごいイケメンが来ているに違いない!と踏んだ私は、一目散に同じ方向へ駆けていきました。しかし、車から降りてきたのは愛●欽也似のおじさまで、ボー然としてしまったことを思い出します。
当時はまだエジプトに来たばかりで、彼のことは全く知りませんでした。それがエジプトで暮らすうちに、彼の大スターとしてのすごさや魅力にハマっていき、映画も見たし、DVDも買い込んでくるなど、すっかりファンになっていました。だから今でも、あの出会いがちゃんと彼のすごさを知ってからのことだったらどんなによかっただろうと思うのでした。
もし英語版字幕でよければyoutubeで「terrorism and kebab]」で見ることができます。よかったら、のぞいてみてください^^
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